日本の介護現場で働く外国人スタッフの生の声をお届けします。
今回は、来日1年半を過ぎた、インドネシア出身のシンディさんとボニタさんにお話を伺いました。彼女らの日本での経験や思いを、できるだけ忠実にお伝えしたいと思います。
(取材協力:岐阜県高山市 ケアトピック様)
1.日本での生活:新しい環境での喜びと困難
日本で働き始めて数ヶ月が経つシンディさんとボニタさん。
彼女らにとって、日本での生活は新しい発見と挑戦の連続だそうです。
「日本の四季の変化が本当に素晴らしいです」とボニタさんは語ってくれました。
「特に秋が好きです。紅葉の美しさは言葉では表せません」。
一方で、冬の寒さには苦戦しているようです。
「雪の日の朝は起きるのが大変です」と少し照れながら話してくれました。
シンディさんは日本人の優しさに感銘を受けているそうです。
「仕事場のみんなが本当に優しくて、助かっています」と笑顔で語ってくれました。
特に、仕事の記録の書き方など、細かいところまで丁寧に教えてくれる先輩たちの姿勢に感謝しているとのことでした。
しかし、新しい環境での生活には当然ながら困難もあるようです。
言葉の壁はその一つだそうです。
「方言がわからなくて困ることがあります」とシンディさん。
地域特有の言葉や表現に戸惑うことも多いとのこと。
また、公共交通機関の利用にも苦労しているそうです。
「バスや電車のスケジュールがまだよくわかりません」と話してくれました。
それでも、彼女らは前向きに取り組んでいます。
「困ったときは周りの人に聞いたり、スマートフォンで調べたりしています」とボニタさん。
日々の生活の中で、少しずつ日本の文化や習慣に慣れていっている様子が伺えました。
2.仕事での経験:介護の現場で学ぶこと
シンディさんとボニタさんは、日本の介護施設で働いています。
仕事に慣れるまでには時間がかかったそうですが、今では徐々に自信をつけてきているようです。
「最初の3ヶ月くらいは本当に大変でした」とシンディさん。
言葉の問題だけでなく、日本特有の介護の方法や記録の取り方など、学ぶことが多かったそうです。
「でも、先輩たちがゆっくり、わかりやすく教えてくれて、今ではだいぶ慣れてきました」と話してくれました。
特に印象に残っているのは、利用者とのコミュニケーションだそうです。
「お年寄りの方々と接するのが楽しいです」とボニタさん。
「レクリエーションの時間が特に好きです。
折り紙や音楽、カラオケなど、一緒に楽しむことができます」と目を輝かせていました。
また、日本の介護現場ならではの経験もあるようです。
「利用者さんと一緒に漢字の勉強をすることがあります」とシンディさん。
「お年寄りの方々は漢字が好きで、私たちも一緒に学べるので、とても良い機会になっています」と教えてくれました。
仕事を通じて、彼女らは日本の文化や習慣についても多くを学んでいるそうです。
「ゴミの分別の仕方など、日本の生活習慣も仕事を通じて学びました」とボニタさん。
介護の仕事は、単に技術を学ぶだけでなく、日本社会への理解を深める機会にもなっているようでした。
3.将来の夢と挑戦:日本での成長と新たな目標
日本での生活や仕事にも慣れてきた2人ですが、さらなる成長を目指して新たな目標に挑戦しているそうです。
言語の習得は最大の課題の一つだとか。
「日本語能力試験のN3を受けました」とシンディさん。
「結果はまだわかりませんが、合格していることを願っています」と話してくれました。
ボニタさんも「漢字の勉強を頑張っています。
今は500から1000文字くらい読めるようになりました」と教えてくれました。
仕事面でも、さらなるスキルアップを目指しているそうです。
「介護福祉士の資格取得が目標です」と2人とも口を揃えます。
日本の介護現場でより専門的な知識と技術を身につけ、キャリアアップを図りたいと考えているようでした。
日本での生活を楽しみながら、新たな経験にも挑戦したいという思いも持っているそうです。
「いつか東京ディズニーランドに行ってみたいです」とシンディさん。
「沖縄にも行ってみたいです。きれいな海を見てみたいです」とボニタさんも夢を語ってくれました。
しかし、旅行の計画を立てるのも簡単ではないようです。
「交通手段や予約の仕方など、まだわからないことが多いです」と2人。
それでも、「少しずつ貯金をして、いつか実現させたいです」と前向きな姿勢が印象的でした。
日本での生活や仕事は挑戦の連続だそうですが、2人の目には確かな成長と希望が見えました。
「日本に来て本当に良かったです。まだまだ学ぶことはたくさんありますが、これからも頑張りたいです」と2人は口を揃えます。
彼女らの姿勢は、日本の介護現場に新しい風を吹き込んでいるように感じました。
言葉や文化の壁を乗り越え、真摯に仕事に取り組む彼女らの存在は、多様性を受け入れ、共に成長していく日本社会の未来を示しているのかもしれません。